| 歌舞伎町のセシリアさんA |
| 折野氏から強奪したパラレルSSその2。 洒落のわかる方向き。 |
超一流商社・エトルリア物産のエリート課長パーシバルは今夜も仕事のせいで 仕方なく歌舞伎町を通り過ぎようとしていた。件の店、イメクラ『エレブ学園』 の側を通り過ぎようとした時。 「よっ、お兄さん。どうです。ちょっと寄ってかない?」 「……しつこい。何度も言うが私はそういうものに全く興味がないと…」 「まあそう言わずに。今夜はツイてるよ。何てったって今日はウチは『制服しちゃうぞ』 デー!女の子がみんな学生服でお出迎え。ちょっと写真だけでも見てってよ」 引きずられるように中に入ると、リリーナやキャス、ティトやシャニーがブレザーや セーラー服に身を包んだ写真が飾られていた。その中に、セーラー服を着たセシリア の姿を見つけると、パーシバルは眼を細めた。 (妻よ。いくら何でもセーラー服は無理があるのではないか) ほろ苦い想いを抱きつつ、パーシバルは写真を眺めていたが、そのうちにふと、ひとつの 写真を見た途端、凍りついた。 「……!!ば、馬鹿な…いや、まさか、そんなはずは…!」 「お、お兄さん。その子が気に入った?目が高い。その子は最近入ったばっかなんだが 早くもうちの店のNo、1だよ。どうする?今ならすぐ入れるけど」 「そんな…あり得ん。まさか、まさか…私の部下が、そんな…」 一枚の写真に、パーシバルの目は釘付けになっていた。 個室の中で、パーシバルは頭を抱えた。 (あり得ん。まさか…この眼で確かめないことには…) やがてドアが開くと、耳慣れた声がした。 「あ、こ、こんばんは。…あの、まだ僕こういうお店初めてなんですけど……わあっ!?」 「……く、く、クレイン君…!!!!!」 「か、課長…!?」 セーラー服姿で現れたクレインに、パーシバルは愕然として立ちすくんだ。 「い、一体どうしてこんな…何があったんだねクレイン君!」 「………訳は、聞かないでください」 「し、しかし、有能な私の部下がなぜこんなことに…?」 「…ちょっとした事情で夜だけ働こうと思って、ホストクラブに入ったんです。そしたら そこの店長が『君は支店に行ってくれ』って、気づいたらこんなことに……ううっ」 「だ、だが君には妹さんもいただろう。ご家族にはなんと言っているんだ…」 その時、隣の壁から声が聞こえた。 「ちょっと、そんな汚らしい手で私の制服に触らないで頂けます?仮にもこのクラリーネに 触れていいのはお兄様と清潔で紳士な殿方だけですのよ。あなたみたいな方には…」 「……妹は、何といいますか、M男くんとかお嬢様萌えとかいうのに人気がありまして」 「な……………」 パーシバルは開いた口がふさがらなかった。だが、セーラー服姿で女の子座りをしている クレインを見ているうちに、胸が溢れるもので一杯になった。 (迂闊だった。仕事にかまけて、部下の窮状を察してやることすらできなかった。不覚だ) 「…すまなかった、クレイン君…!!」 強く体を抱きしめた、その時。 「あ、あの、抱きしめる前にどのコースかを選んで頂かないと…お客さん」 「クレイン、お前もかああああっっ!!!!!!」 泣きながら部屋を出ようとした瞬間、振り返ると制服のままクレインがぽつんと座っているのが 目に入った。 「……………き」 「え?」 「……………きゅ」 「課長?」 「90分コースというのは、いくら払えばいいんだい、クレイン」 ネクタイに手をかけると、静かにゆるめた。 外はいつしか、雪に変わっていた。 |
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某K根氏あたりの刺客が来る前に、 そそくさとここでアップ。 頭でかいねえ〜このクレイン。 ・・・・・つうか、クレイン初ウェブが(以下略) |
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