14.誤認逮捕
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2004/01/08
逆裁2-4後 |
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1月某日 成歩堂宅
「今日はみんなで鍋だよっ!さあ、食べよ食べよ」
「ム、ご馳走になろう」
「ソーメン以外の食べ物は久しぶりッス!うう・・・・・・肉・・・・・」
「おひげのけいじさん、泣かないでください。お肉でしたら、私のぶんもさしあげますから」
「め、面目ねッス・・・・・」
「・・・・・・・あのさあ・・・・真宵ちゃん・・・・・・」
「なに?」
「きみや春美ちゃんと鍋を囲むのはいいんだけど、どうして御剣や挙句イトノコさんまで僕のうちに来てるのかな?」
「なに言ってるの!
『新年会も兼ねて鍋やるから友達呼んどいてくれ』
って言ったの、なるほどくんでしょ!なるほどくん友達少なくて、人集めるの大変だったんだから!」
「そ、そりゃそうは言ったけど。友達って・・・・・・イトノコさんが?」
「ヒ、ひどいッス!年の瀬はアンタのために色々尽くしたじゃないッスか!」
「そうだよ!あたしの恩人なんだからね!」
「まあ、そうなんだけど。・・・・ま、いっか。実は御剣も実際に来るとは思ってなかったんだよな、僕。家遠いし。『私は忙しい』とかなんとか断られると思ってた」
「うむ、忙しいは忙しいのだ。だが、食費が一食分浮くとあっては呼ばれぬわけにはいくまい」
「・・・・・ここまで来る交通費のほうが鍋一食より高くつくんじゃないのか?」
「支給もされないのに交通に金をかけるわけがなかろう。自転車で来た」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・(よくやるよ・・・・・・・)
・・・・・・・・・・・って、御剣!肉ばかり食うんじゃない!」
「うい〜〜っす、遅れてすまねェな、みんな!」
「あッ、ヤッパリくん、待ってたよ〜!」
「まだ矢張が友人なのか。真宵君の言うとおり、友達に恵まれないようだな、成歩堂」
「おまえが言うな!」
「ああアンタ、ザブトンこっちにあるッスよ。どうぞ」
「ほい。どうも・・・・・って、オマエェエッ!!」
「な、何ッスか!突然!」
「おい、成歩堂!こいつ、オレを逮捕した刑事じゃねェか!」
「ああ、そうだよ。糸鋸刑事。誤認逮捕の天才だ」
「ああッ、そんな言い方はないッス!」
「そうだよなるほどくん、せめて誤認逮捕のプロ!で留めておいてあげなよ」
「おんなじことッス!」
「まあまあ、糸鋸刑事。仕方あるまい。気にするな。たまたまきみが逮捕する人間が、なぜかいつも無実だというだけのことだ」
「それで終わりにするなよ!」
「全然救いになってないッス!」
「でもさあ、イトノコさん、実際たくさんの人をタイホしてきたよね。それも全部誤認逮捕」
「ここにいる僕らはみんな、イトノコさんに誤認逮捕された経験があるわけだ」
「私はまだごにんたいほされたことはございませんが・・・・・」
「3でお嬢ちゃんを誤認逮捕すれば完璧だな」
「み、御剣検事!あんまりッス!いくら自分でも子供に手錠はかけられないッスよ!」
「いやいや、でもねえ、なるほどくんが大活躍できるのもイトノコさんのおかげだから」
「へっ?」
「そうですね!おひげのけいじさんがあんなにたくさんの方を誤認逮捕できるからこそ、なるほどくんがたやすく逆転できるというものです!」
「たやすく・・・・・・・・」
「なるほどくんはおひげのけいじさん様様ですね!」
「ほらほら、なるほどくん、イトノコさんにお礼言わなきゃ」
「・・・・・・・・・・なんか、割り切れないものを感じるんだけど。僕だけなのかな」
「いやっ!自分も納得いかないッス!アンタにお礼言われるのなんか冗談じゃないッス!」
「強情だなあ二人とも」
「まったくです、真宵さま」
「まあなんだっていいけどよう〜、もう鍋が空だぜ」
「あああッ!!」
「肉!!!!!」
「み・・・・・・・・・・・・・
ミツルギィィィィッ!!
喰うなッ!最後の一切れ喰うなッッ!!!!」
ごくり。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「とほほ・・・・・肉、食いっぱぐれたッス・・・・・・」
「おひげのけいじさん、あまり気を落とさないでください。はい、ハンカチをどうぞ。涙をふいてくださいませ」
「うう、相済まねッス・・・・・」
「まっ、オレは酒があればそれでいいけどよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「ご馳走になった。では、私は仕事があるので失礼する。また呼んでくれたまえ」
「やー、板東ホテルのときとは打って変わって、気持ちいいまでの食べっぷりだったね、御剣検事。しかも狙ったように肉ばっかり!さすがのあたしもかなわないなあ」
「・・・・・・・真宵ちゃん」
「ん?」
「今度鍋で人を呼ぶときは、
あいつの名前は二度と口にしないでくれ!!」
(了)
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