<其乃三> 歌仙兼定の顔が宗三左文字の顔に近づく。 「ン! ん……ぅ……っ」 ふたたび唇に口づけを受けて、宗三左文字は身を強ばらせ、眉根をぎゅっと寄せて目を固く閉じながら、それでも従順に歌仙兼定に向かって歯列を開いた。 舌と舌が絡んでも、今度は宗三左文字は逃げなかった。それを意外に思いながらも、宗三左文字が己との接吻を受け入れたことに歓喜して、歌仙兼定は時間をかけて、宗三左文字に口づけを続けた。 「っ…ぷぁっ……、ぁふっ…」 歌仙兼定の舌の動きを真似るように、おずおずと宗三左文字が舌を蠢かしてくる。教えるように歌仙兼定は舌同士を暫く絡めて見せ、やがて、宗三左文字の唇全体を咥えて、その口内に溜まった唾液を吸い上げ、再び宗三左文字の唇の内へと唾液を流し込んでいく。 「ンっ…ふ、ぅ…っく…、」 「そういうときは飲むんだよ。宗三左文字どの」 「………っ、く……」 大量の唾液を口に含まされて苦しげに呻いた宗三左文字から口を離し、歌仙兼定は微笑みながら言った。宗三左文字は眉根を寄せ、瞼を半眼に閉じたまま、再び唇を押し当ててきた歌仙兼定の指示の通りに、従順に、だがやや飲み込みにくそうに唾液を喉の奥へと飲み下した。 「は……、ンふ…ッ」 (すごいな……) 抵抗する自意識も知見も持たない宗三左文字の反応は歌仙兼定を昂奮させ、同時に、別の意味での困惑や罪悪感をももたらしていた。無知で性的に成熟していない幼児を騙して性技に導くような、あくどい大人になった気分だ。外見は二人とも同じ年頃の青年だが、蓄積されている知識量が歌仙兼定と宗三左文字とでは全く違う。己の情欲の赴くままに今、宗三左文字の操を奪うのはおそらく容易いだろうが、そのようにして宗三左文字と体を繋げることは、果たして自分と宗三左文字の未来に充足をもたらすであろうか。 歌仙兼定は唇を離して、組み敷いた宗三左文字を見下ろし、その様子を観察する。 「っはっ……、はぁ……っ」 長く口づけられて息を喘がせている宗三左文字の頬はすっかり紅潮していた。強く吸われて赤く腫れ、開いたままになっている両の唇の奥で、強く舐られた舌が、唾液の名残を絡ませて蠢いている。宗三左文字の赤らんだ目尻には相変わらず涙が溜まっているが、潤んだ瞳や辛そうに寄せられた眉からは、既に歌仙兼定への拒否の様相は消えていた。 仕掛けるのを止めるべきなのだろうが、歌仙兼定は己の欲情を押し止められない。 未だに宗三左文字の服の下に隠れている刻印に触れるのは敢えて避け、歌仙兼定は、宗三左文字のはだけた右胸に右手を滑らせ、汗ばんで突き立っている突起に指先で触れる。 「ッ! は、ぁっ…!」 宗三左文字の皮膚がぴくりと震え、突起が硬く尖って存在感を増した。 衣裳越しに、宗三左文字の別のところも強ばりかけているのが、下腹部の触感から歌仙兼定には察知できている。 「気持ちいいのかい? ここ……」 「うッ! あ、ン……ぅうッ……!」 歌仙兼定が乳首を優しくこねくると、体の下で宗三左文字の細い上半身がひくり、ひくりと動いた。 「あッ……か…かせ……ンぅうっ……!」 宗三左文字が望むと望まざるとに、もはや関わらず。 歌仙兼定が与える刺激に、愉楽を感じる以外にはなにもできなくなって、宗三左文字は声を上げた。 歌仙兼定の左手が、肌着越しに下腹部の男の部位に触れてきても。 「あッ、あぁ……う…、はァっ……!」 自分に何が起きているかについて惑乱することさえできず、歌仙兼定の手をただ感じて喘ぎ続けている。 今組み敷いている、淡紅色の髪を持つ男の体を犯して、自分だけのものにしたい。 下腹部に凝る、己が独占欲そのものの熱を痛いほどに自覚しながら、歌仙兼定は宗三左文字を見つめていた。 「ぅあっ、あぁ、はぁッ、歌仙…兼定……っ……!」 硬化した場所を肌着越しに擦り上げられて、宗三左文字がせつなそうに身を捩った。 「も……やめて…くださ……、っ、ぁ、どうして、こんな………っ…!」 唇をわななかせ、口の端から唾液を溢れさせながら、宗三左文字が声を上げた。 「こんな…ことをして……満足、なんです…か……?」 半眼に閉じられていた瞼が開いて、潤んだ色違いの両の目が、歌仙兼定に向けられた。 宗三左文字を擦り上げる歌仙兼定の手を拒むように、宗三左文字の手が弱々しく触れてくる。 「っ僕を……、こんな形で、辱めて……っ」 そう言われて、歌仙兼定の身はぎくりと強ばる。 瞬間、己の欲望を宗三左文字に見透されたかと思った。 宗三左文字の後孔を歌仙兼定の己自身で穿って犯すつもりか、と、そう聞かれたかと思った。 だがすぐに歌仙兼定は、それが自分の早とちりであると思い至る。 宗三左文字は接吻すら知らなかった。男同士の体の繋げ方など、聞いたことも考えたこともないに違いない。 「……辱めるとは……、どういう、意味だい……?」 宗三左文字の局部から手を放さず、ゆるゆると扱きながら、歌仙兼定は尋ねた。 「う……、」 宗三左文字の頬がいっそう赤らみ、涙に濡れたその顔がますます歪む。 「はぁ……っ、こんな……、か、快楽に、僕の体を突き落として……っ、それに逆らえない僕を、見て、楽しむなんて……ッ、そんな、支配の仕方……ッ、ぁくっ」 歌仙兼定の支配欲の顕れという一面の事実を冷徹に突いた宗三左文字の指摘が、他方ではあまりにも正直に、宗三左文字が歌仙兼定の手管によって淫楽を感じていると告白してしまっている。しかも歌仙兼定の予想していた通り、やはり宗三左文字はその快楽の先に「何」が待つかを微塵も知らない。 ちぐはぐさに、歌仙兼定は思わず微笑んだ。 当人には自覚がないだけで、宗三左文字はもともと感じやすい性質なのだろう。接吻を返してきていたのは、犯されることを諦観したからではなく、歌仙兼定の扇情に体が先に反応していたものらしい。 容易に快楽に流されるその細い体に、無知で純情で素直で、だがひとかたならぬ高さの、崩れやすい自尊心を抱えた繊細な心が宿っている。 「きみは、本当に素晴らしいな……」 「っ、あ、」 感極まって、歌仙兼定は宗三左文字の愉悦に喘ぐ体を強く抱き寄せた。 相手を奪ってしまいたい暴力的な欲情と、相手の身体や心を労るいとおしさ、己が持つ自尊心を守り切れぬほどに無知な相手への憐憫。それらが嵐のように歌仙兼定の体内で荒れ狂って、やがて、歌仙兼定はひとつの決意をした。 「……無垢な心のままのきみが、僕は好きだな」 締め付けるように宗三左文字の体を抱えていた両腕をやや緩めて、理解できぬ愉楽に屈辱を感じているその背を優しく撫でながら。 歌仙兼定は宗三左文字の赤く染まった耳に囁いた。 「…す……、すき…………?」 知識の外にある言葉だとでもいうように、宗三左文字が鸚鵡返しにぽつりと呟く。 「それは……」 宥めるように背を撫でられつつ、宗三左文字は彼なりに思案したようだ。 「それは、僕を……所有したいと、いうことですか……?」 歌仙兼定の腕に抱かれるままになりながら、宗三左文字は問うてきた。 その声の響きの中には、既に。 幾ばくかの諦観が籠もっていた。 快楽を使って既にいいように歌仙兼定に嬲られた宗三左文字の、屈服感と悲しみも。 「宗三左文字どの」 歌仙兼定は声の色を変えて、宗三左文字の体を抱え直し、その顔を正面から覗き込んだ。 涙に濡れた二色の目の中には、暗い悲嘆が浮かんでいる。 汗と涙に汚れた淡紅色の髪を梳き、手で頬に触れると、宗三左文字はまるで受け入れるかのように、その手に頬をやんわりと押しつけてきた。 「……好きにすればいいんです…誰でも、僕を……主でも、歌仙兼定、あなたでも」 投げやりとも取れる口調で言って、宗三左文字は瞼を閉じる。睫毛から涙が筋を作って頬を伝い落ち、歌仙兼定の指を濡らした。 「魔王の所有の証がある限り……僕は、人からそのように見られることを自分では押し止められない。僕の価値は刀剣たる僕そのものではなく、魔王の刻印が為されていることにこそある、と」 宗三左文字が左腕を動かすと、左肩に残っていた着物が全て滑り落ち、隠されていた左胸が露わになった。 信長公の刻印がくっきりと、再び歌仙兼定の目に晒される。 「これがあるから、あなたも、僕を欲しがるのでしょう……? 細川忠興佩刀、歌仙兼定。魔王が本能寺まで連れ歩いた僕を求めるのは……、あなたが魔王の家臣だった男の佩刀だったから、という他に、理由は何も無いはずですから」 宗三左文字は色違いの両の目を開き、自嘲するように微笑みながら歌仙兼定を見つめてきた。 歌仙兼定は宗三左文字の業の深さをようやく思い知って絶句した。 確かに、宗三左文字への支配欲は、信長公の刻印を見た後から急激に高まった。宗三左文字の体に刻まれた信長所有の印。そこから受ける織田信長の宗三左文字への独占欲は、凄まじいものがあった。数百年にわたって、あのように身勝手な激情を一方的に受け続けてきたなら、現在の宗三左文字の鬱屈ぶりにも合点がいく。 「……………」 故に、今。 宗三左文字に、己の劣情をそのままにぶつけることはできない。 それだけは歌仙兼定にもはっきり理解できた。 歌仙兼定は深い息をひとつして、宗三左文字の腰の周りに落ちた着物を拾い上げ、その白い両肩に着せかけ、襟を合わせてやった。 信長の紋様は再び襟に隠れて見えなくなった。 歌仙兼定はそうして宗三左文字から体を離す。 その行動に、宗三左文字のほうが不思議そうな顔を見せた。 「いいんですか……? 僕を……あなたの、いいようにしなくて」 「……だって、きみは、それを望んでないだろう」 「……僕が……ですか………?」 考え込むように呟いた宗三左文字が、その後にひどく赤面して黙り込んだので、歌仙兼定はもしかして選択を間違えたかと内心でうろたえた。 「…それとも、続きをしてほしいのかい…?」 もはや遅きに失しているとは知りつつも、歌仙兼定は宗三左文字に畳みかけた。 宗三左文字はさらに赤面して、顔をうつむける。 「……わかり、ません………あんなふうに、されるのも、なるのも、初めての経験だったので」 「………そうだろうね」 宗三左文字の許可さえ得られれば、彼にもう一度飛びかかれるのだが。 だが今は、ここまでにしておくべきだと歌仙兼定にもわかっていた。 「だいぶ長居をしてしまったね。今日はもう引き上げるとするよ」 自らの衣服も乱れかけているのを整えながら、歌仙兼定はそう宗三左文字に告げた。 「帰るのですか……?」 「日も落ちたし、もう野良仕事は続けなくてよさそうだからね。きみを介抱するのは、鍬を放り出す為のいい口実になったよ」 歌仙兼定は宗三左文字に悪戯っぽく笑って見せた。 視線を落として、己の着物の袂が膨らんでいるのに歌仙兼定は気づく。手を入れると、中から、宗三左文字の腰帯が綺麗に巻かれた状態で出てきた。 昼間、宗三左文字を寝かせたとき、その肌に信長公の刻印を見つけて、昂奮のあまり手に持っていたこの帯のことを失念し、無意識のうち袂に入れてしまったようだ。 「きみの腰帯だ。返しておこう。危うく持って帰ってしまうところだった」 歌仙兼定は微笑んで、宗三左文字の右手を優しく掴み、掌を上に向けさせると、その上に帯をそっと置いてやった。 そして帯からも宗三左文字の手からも己の手を放さず、両手でそれらを挟み込むようにして、暫くの間触れ続けていた。 「歌仙兼定……」 宗三左文字の男にしては細い手に、歌仙兼定の手が触れたままになっている。 「今日は無体をはたらいてしまって、すまなかった。……水に流して、忘れてくれると嬉しいが」 手と手を通じてじんわりと浸透するのは、いったい何の感情だろうか。 「……歌仙兼定」 名を呼ばれて、歌仙兼定は手を掴んだまま、宗三左文字の顔に視線をやった。 緑と青、色違いの二つの目が、もの言いたげに歌仙兼定を凝視してくる。拒否の気配は無いが、さりとて、歌仙兼定の言葉を素直に受け入れると心決めしたふうにも受け取れぬ、そんな表情だった。 暫くそうして見つめ合い、やがて宗三左文字が口を開く。 「僕が……望んだら……、あなたは、行動に出る…と、そういうことで、いいんですか…?」 宗三左文字は何を自分に言うつもりだろうか。 歌仙兼定は心中で膨れあがる期待を潰すように押し隠しながら、無言で先を促す。 「………接吻」 長い沈黙の後、宗三左文字が呟くように言葉を吐いた。 「もう一度。軽く……、接吻だけ。…してはいただけませんか……?」 歌仙兼定に接吻を許すことが何をもたらすか。 それを全く理解できていないからこその、宗三左文字の要求だった。 「……お安い御用だよ」 歌仙兼定は優しく笑って、そっと顔を近づけ、宗三左文字の唇を己の唇でついばんだ。 「…っ……」 目を半眼に閉じ、宗三左文字は歌仙兼定の口づけを受けた。 薄い唇が歌仙兼定に答えるように上下する。唇と唇で、触感を確かめるように触れ合っているうちに、その先を求めるかのように、自然に宗三左文字の唇が開かれた。 だが、軽く、と要求されていた歌仙兼定は、己の欲求を抑えつけ、それ以上先には進まなかった。 宥めるように、宗三左文字の唇に少しだけ舌を当てて、最後に両唇で宗三左文字の下唇を撫でて、やがて歌仙兼定は唇を離した。 「……………」 宗三左文字が熱い息を吐きながら再び頬を紅潮させて、歌仙兼定を見つめ返す。歌仙兼定は微笑んだまま、無言で宗三左文字の手から両手を離すと、今度こそ身を引いた。 今回は、宗三左文字は、動くことも尋ねることもしなかった。 「……じゃぁ。お暇するよ」 軽く会釈をして立ち上がり、歌仙兼定は宗三左文字の居室を出る。 握らされた帯を掌の上に乗せたまま、黙って、宗三左文字はその後ろ姿が襖の向こうに消えるのを見送った。 「まったく、しまったな……」 宗三左文字に乱暴をはたらくことにならなくてよかった。 最後の最後に理性が優ったおかげで、宗三左文字を手籠めにせずに済んだ。 自らの部屋への廊下を歩きながら、歌仙兼定は安堵していた。 宗三左文字の体を彼の部屋に運び込んだときには、あんなに見境無く彼に欲情することになろうとはさすがに思っていなかった。 信長公の刻印さえ、歌仙兼定の目に触れなければ。 宗三左文字は正しかった。彼の体に刻まれたあの印は、見る者皆を狂わせる。 宗三左文字が自ら言ったように。信長に捕らわれた彼を、信長から奪うことは誰にもできない。当の宗三左文字でさえも不可能なのだ。別の者が宗三左文字に対し所有欲を働かせることは、結局は、信長からではなく、宗三左文字本人から彼自身を奪うことにしかならない。 歴代の彼の所有者たちはそのようにして宗三左文字から彼自身を奪い続けてきた。各時代の天下人に欲され続けて己の身と心を細らせた宗三左文字の状態を知悉してなお、今、歌仙兼定が新たな彼の略奪者になることは、歌仙兼定自身がとうてい己に許せることではなかった。 僕にとって彼は既に、ずいぶん大事な相手になってしまっているようだ。 歌仙兼定はひとり笑う。 宗三左文字。かき抱けば折れそうな細い体に、脆くも高らかな矜恃と、痛ましいほどの無垢とが混在している。 さらにその奥に、宗三左文字自身も自覚せぬままに、深い孤独からくる人寂しさがひっそりと住まっている。 歌仙兼定は、そんな宗三左文字を、そのままで愛でたかった。これ以上彼を壊したり、奪ったりすることなく。 だがそれには、まず彼の心を自分に向けて開かねばならない。 ……彼が僕を受け入れてくれるまで待つしかないな。 そんな日が来るのかどうか、それは歌仙兼定にもわからなかったが。 「……ま。片恋の物思いも、それはそれで風流だからねえ」 服の内に今も凝る情欲の熱に耐えながら。 己を納得させるように、歌仙兼定はひとり呟いた。 居室に独り残されて、寝床の上に座ったまま、黙然と宗三左文字は考えていた。 たった今まで、この部屋で、自分と歌仙兼定との間でなにがおこなわれていたのか。 記憶を反芻しても、なかなか宗三左文字に理解できることではなかった。歌仙兼定の心境も、自分の心情も。 右手に持たされた帯から、自分のものではない香のにおいがする。歌仙兼定の袂に長く入っていた所為で、彼の用いていた香が移り香となり、自分の部屋にたゆたっている。 まるで、歌仙兼定がまだ自分の部屋にいるかのように。 「………………」 接吻。初めての。 そしてその後に、歌仙兼定に体中を触れられたこと。 歌仙兼定が、最終的に、自分を支配するのを諦めてくれたこと。 心の中でどう整理をつけるべきか、宗三左文字にはわからなかった。 なぜ自分が最後に、歌仙兼定に接吻をねだったのかも。 最後の接吻を終えて歌仙兼定が離れた後、もう一度、彼に唇で触れてほしい、と思った。 だがそれを態度や言葉で示すべきかどうかもわからぬうちに、歌仙兼定は自分のもとから去っていった。 ……再び、歌仙兼定に触れてもらえる日は来るのだろうか。 宗三左文字は目を瞑り、歌仙兼定が置いていった帯を唇に当てる。 歌仙兼定の残り香が鼻を抜けて、強く宗三左文字の脳にまで浸透していく。 体の中を、今まで知らなかった熱が、手足の指の隅々まで走っていく。 それを自覚しながら、宗三左文字は吐息を深くついた。 歌仙兼定の言ったとおり。 自分はもう少し、世界を知る必要があるのかもしれなかった。 母屋と母屋を繋ぐ渡り廊下を、歌仙兼定は無言で歩いていく。 日は沈み、周囲は虫たちの鳴き声で満ちている。 蓮の葉が揺れていていた池から涼しい風が廊下まで吹き上がってきて、歌仙兼定の髪を優しく撫でていった。 (了) |
| 後書 |