ティレルはアナスタシアをソファの前に立たせ、下肢の衣服を本格的に脱がせ始める。眼前にアナスタシアの腰骨が見え、ティレルは唇を寄せてそこに口づける。
「っん……」、
繊細で器用な男の手をアナスタシアの臀部に回し、インナーごと衣服を引き下ろす。
「あ……」
アナスタシアの秘部がティレルの目に晒され、頭上から羞恥の息が漏れた。
ティレルが眺める其処は既に彼の手指によって熱を持って湿り、潤っている。
「………………」
ティレルもさすがに呼気には熱を帯び始めていた。
アナスタシアの手を取って立ち上がり、部屋の中央のデスクに連れて行く。
歩かせる前に、下半身の衣服はすべて脱がせてしまった。
「此処。座れ」
アナスタシアの尻を持ち上げて、デスクの上にアナスタシアを座らせる。
「………っ、」
膝までをデスクの上に押し上げてアナスタシアの脚を開かせると、発情した娘の匂いが漏れてきた。
秘された場所をすべて露わにされてアナスタシアは一層顔を赤らめたが、ティレルの手には逆らわず、羞恥に堪えるかのように、キスで腫れた唇を引き結んだ。
上半身には前をはだけたブラウスを羽織ったままで、突起を尖らせた二つの乳房がティレルの目を眩惑している。広げた下肢からは愛液が滲み出ていて、心はともかく、アナスタシアの体のほうは既に準備を終えていることがティレルには見て取れた。
一刻も早くアナスタシアを穿ちたくて気は逸るものの、
(俺のほうが脱げねえんだよな)
イシク族の刺青を見られるわけにはいかないので、対面位で体を結び合うことはできない。
(あるいは)
「赤毛、お前、目隠しとか興味あるか?」
「っえ……、」
顔を熱にぼうっと赤らめたまま、それでもアナスタシアが戸惑ったようにティレルを見た。
ティレルの判断では、アナスタシアはどう見ても処女だった。
無垢と情欲、信頼と不安が入り交じった、煌めく紅玉の目。
組み敷かれて、初めて男を受け入れるとき、この目がどんなふうに潤んで俺を見上げてくるか、知れないのは非常に惜しいけれども。
「よし、そうしよう。お前に目隠しするわ。ペナルティその1だな」
「え、り、リスター審問官、」
処女だから当然なのだが、アナスタシアは不安げに声を上げる。
「わ、私だけ裸になって、すべてを晒しているのに、目隠しをされるのは不公平ではありませんか」
「そりゃ、ペナルティだからな」
目隠し布にはアナスタシアの肩から剥いだ垂れ布が丁度いいと踏んで、既に両手にそれを持ってアナスタシアの顔の前に掲げながらティレルはあっさりと応じた。
微妙に顔を逃がしながら、アナスタシアはとんでもないことを言ってくる。
「ずるいではありませんか。わ、私だってリスター審問官の裸が見たいです……!」
「……………不公平って、そういう意味かよ!」
赤面して呆れはするものの、そんなことを言われたら余計に、アナスタシアに体を見られぬよう警戒しなくてはならない。
「大人しく目隠しされてろ。パワハラ兼レイプだぞ。言うこと聞いたらもう少し気持ちよくなるサービスしてやるから」
こんな言い方では何一つ誤魔化せまい、と発言した当のティレルのほうで思っていたのに、
「……! うう……わかりました……お願いします…」
アナスタシアは大人しく目を瞑って頭を差し出した。
(従順なんだか積極的なんだかわからん)
アナスタシアの顔半分を布で覆い、目隠しをしていきながら、ティレルは苦笑する。
(しかしコイツ。俺への信頼が度を超してるな。……なんか悪いモンでも食ってるのか)
視界を奪った上で酷い目に遭わせてくるかも、などとは微塵も考えていないようだ。
そういえば自分の仕事ぶりどころか性格についても、アナスタシアはやたらと素直かつ大仰に褒めてくる。
(俺の仕事はともかく性格を肯定してくるのはヘンだろ)
ティレルは他人から「性格がいい」などと褒められたことは無いし、自分でもそう思ったことなど一度も無いのに。
そうなると「クライオスに弱点などない」というムカつく言い様も、どうやら同じ価値観の同一線上にあるもののようだ。
(他人を認めすぎ、褒めすぎる。お世辞などではなく、心底からそう思って言っているようだ)
(謙虚……いや。もっと何か)
病巣、と呼ぶに相応しい心理感覚を瞬間掴んだような気がして、ティレルはムカデの巣を足で踏んだような気分になり、思わず目を眇めた。
一方アナスタシアはそんなティレルの心情など何も知らぬげに。
「………っ…」
目隠しをされ、脚は相変わらず広げたまま、ティレルのデスクの上に所在なく座している。
熱い息を吐きながら、汗ばんだ乳房と淫に濡れた秘部を晒して、それらを隠すことも思いつかずに、自分の身が快楽で蹂躙されることを期待してその場でただ待っている。
――――かわいい、というのはこういう感覚か。
何となくティレルは得心した。
巷でよく聞く、外見を評する意味での「可愛い」ではない。もっとずっと深い意味合いだ。
あるいはいとおしい、と言い換えることもできるかもしれない。
(この赤毛の)
自分を慕う様、信頼してくる様。一切の警戒を解き、判断を相手に預け、そいつが自分に害意を持つかもという危惧を思いつきもしない様。
そしてそれを見る自分が、赤毛の純粋な心を、体ごと己の懐に入れて守ってやりたい、と思う気持ち。
自分の中にそんな感情が生まれうることに、ティレルは己で驚嘆していた。
「赤毛。後ろに体倒して、机の上で仰向けになれ」
アナスタシアの両腿を優しく手で掴んで、ティレルは言った。
「……はい…」
目の見えぬアナスタシアが、そろそろとデスク上に横たわる。
「触るぞ」
怖がらせないように予めそう告げて、ティレルはアナスタシアの腰骨に触れる。
「ん……」
視界を奪われて触感が敏感になっているのだろう。眼前でアナスタシアの平板な腹と臍がひくりと震えた。
手を下肢に下ろし太腿の内側を撫でると、
「ッ……」
ティレルの意を迎えるようにアナスタシアの股が広がり、愛液に濡れた女の場所が眼前に迫って、一層の存在感を告げてきた。
ソファの前に立っていた時と同じようにもう一度腰骨にキスをして、口づけを繰り返しながら唇が臍に到達した。
「は……ぁ…、」
ティレルの舌先が伸びて、臍の内側を探る。
「ン、ぁ、…あっ!」
舌先が臍の最奥に達すると、アナスタシアの体がビクリと痙攣した。
「お前、男は初めてだな? 赤毛…、」
「っ……、はい、」
ひくりとアナスタシアの体が緊張する。問われて答えることに、羞恥と少しだけ怯えを感じたようだった。
「入れるとき、キツいかも知れないからな。一度このままイかせてやる」
「…え………?」
言い下ろされたことの意味が分からず困惑するアナスタシアの両腿を両手に掴んで、ティレルは、その中央に顔を寄せた。
「………! ひぁ……!」
秘唇に接吻を受けて、アナスタシアの腰が大きく跳ねる。
「やっ…、や、なに、してるんですか、リスター審問官……っ、」
目隠しで状況がわからず、触感にだけ強い刺激を受けて、アナスタシアが惑乱して身を捩った。
それを手で押さえつけて、ティレルは更に顔を寄せてアナスタシアの女の場所に舌を這わせる。
「お前のココを舐めてる」
「! え…、舐め……、ッ! だ、ダメです!」
最初何を言われたかもわかっていなかったアナスタシアだが、脳裡で触感とティレルの行動が結びついた途端に、激しい拒否の意を顕した。
「やっ…ぁ、ダ、ダメ……! リスター審問官……っ!」
惑乱して、身を捩りながら、ティレルの動きを止めようと両手を伸ばしてきた。
「ンく……」
「ひゃぁッ…う……! やぁ……!」
ティレルが構わず秘所を舐め上げると、黒髪の頭に触れたアナスタシアの手は忽ち力を失っていく。
「あ…、や……きたな……、やめて下さい……!」
排泄の場所でもあるそこを舐められることに、困惑と羞恥を極限まで強めているようだった。
「気持ちよくないか?」
溢れ出てきている愛液を唇で啜り上げ、ティレルが下肢の間から問うと、
「ッ………、」
アナスタシアはびくりと身を震わせ、
「い、イイです、気持ちイイですけどっ……、は、恥ずかしいのでっ……!」
「気持ちいいんだったら俺に任せて、このまま脚開いてろって」
「あっ、あッぁ、や……! ひぃ……!」
ティレルは舌全体をアナスタシアの秘唇に押し当て、刺激する。
アナスタシアの秘部はティレルの煽りに応えて蠢き、男を誘うような匂いを強くする。
ティレルは舌先で秘芽を捕らえ、やや強めに先端を抉った。途端、
「! あ、あッ、あ、ダメ……やぁあ………!」
ティレルの両手に抑えつけられたアナスタシアの太腿がビクリと撥ね、その腰が浮き上がる。
「ンぁ…あぁ……!」
顔の上半分が目隠しで覆われたアナスタシアの口が大きく開き、唾液に濡れた赤い舌が覗いた。
眼前でアナスタシアの股がガクガクと痙攣するのを見て、ティレルは相手が達したことを知る。
「ふ…、イったな。……これも初めてか? 赤毛……」
「っ…、ン、う……、うう……っ、はい……、初めて……イきました…っ…」
まだ愉悦の余韻から抜け出せないまま、アナスタシアが素直に答えた。
「はぁ……は、…リスター審問官………、ンあぅっ」
達したばかりの秘所に再び指を差し込まれ、中を探られる。
「……まだ、少しキツいかもな。こっちもキスしてやるか」
「ひゃうっ」
ぐちゅぐちゅと音を立てて女の場所を指で抉りつつ、ティレルの唇は今度は乳房に伸びてきた。
「ンぁ、あ……、」
視野を奪われて敏感になったアナスタシアの皮膚を、ティレルの口と舌が刺激する。
最前指の刺激を受けて尖った乳首に優しいキスが降り、続いて舌先が当てられた。
「ンうッ……」
秘所とは違って、乳房を舐められることにはさほど抵抗感は無い。アナスタシアは両手をティレルの肩に伸べて、ティレルの行為を受け入れる。
「ひあっ」
口先で乳首を優しく吸われて、ティレルに探られている体の奥がじわりと締まるような感覚があった。
体内に複数本の指が入っている、そのことが強く知覚される。
「あぁ……リ、リスター審問官……、」
「お前のココ……どんどん熱くなって、液が垂れてきてるな」
「ッ…や、言わない…で……、はぁッ…」
アナスタシアの顔の上に、ティレルの熱い息が吹きかかってくる。
「……赤毛。そろそろお前をレイプするからな」
(レイプ……なんて、言い方…。……私だって、リスター審問官が、欲しいのに)
「……っ」
アナスタシアの吐息から、ティレルは戸惑いを察したらしかった。
「何だ? イヤか?」
「リスター審問官……、」
「本当にイヤなら、やめるぞ」
「っ…、ち、ちが……、」
それは自分の望みでは無い。
焦燥に駆られ、見えぬままに手を伸ばし、アナスタシアはティレルの腕を袖ごと掴んだ。
「レイプじゃ、ないです……私が、欲しいんです……。
ください……指、以外の、……リスター審問官…を………、」
受動的な愉悦の中で、目隠しをされて、赤い唇から喘ぎながらアナスタシアが言い遂せる。
男女の睦み合いも恋の駆け引きも知らぬアナスタシアの、直球の要求。
「ッ――――」
ティレルの欲が熱となって、勢いよく体の中央に流れ込んだ。
一方、感情は処理しきれず、瞬間ティレルはその場に固まって言葉さえ失う。
(……………コイツに、俺が見えていなくてよかった)
顔を耳まで赤らめながら、正気に返ったティレルはアナスタシアから指を引き抜き、体の上に覆い被さる。
ぬる、とその場所に先端を当てられて、アナスタシアの下肢がヒクリと震えた。
「あッ、あ…、リ……、」
「入れるぞ……」
指で秘唇をかき分けられ、次いで、熱の塊が己の裡に差し込まれてくる。
「あ………ぅ…」
これが、リスター審問官の熱なのだ。
感慨深くそう思ったところへ、
「ゆっくり、入れるからな。できるだけ、力抜いてろ」
「………、は、ぁう……!」
ティレルが更に身を沈めてきて、圧迫の強さにアナスタシアは驚いた。
「い………」
歯を食いしばろうとしたところに、ティレルが指を口中に差し込んでくる。
「歯、開いてろ……噛むな。俺の指、しゃぶってろ、」
命令口調だが声音は優しく、指先が口腔を撫でる。
「ンむ……ふぁ」
奥歯と奥歯の間に指を入れられてしまい、彼の指を傷つけぬよう、口を開いているしかなくなってしまった。
「く……、」
歯が開いてアナスタシアの体の緊張が緩んだところへ、ティレルは一層己を進める。
「ンぁ…」
「痛いとか……、もうイヤだと思ったら、ちゃんと意思表示しろよ、…く、」
自らも圧迫に耐えながらティレルは言い下ろす。
「んふぁ…ぁ、」
指を突き込んだアナスタシアの口から理解の返事が漏れた。
初めての場所にティレルを感じながら、アナスタシアは思う。
(痛みは……さほど)
『死に戻り』の直前で幾度も受ける死への苦痛に比べれば、「痛い」と呼ぶほどのものですらない。
それよりも。
ティレルから受ける気遣いのほうが、アナスタシアの心身を締め付けていた。
それは甘さにも、痺れにも似ていた。
酔う、とはこういうことなのだろうか。酒を飲んだことのないアナスタシアにはわからない。ふわふわと、自分がまだ知らぬ世界へ体ごと心を連れて行かれるような気分になる。
全身を巡るその不思議な熱は、やがて下肢の中央に流れ込んでいく。
(リスター、審問官の、いるところ……、)
緩やかに、彼が侵入を続けてくる。
アナスタシアの両手は、至近にあるティレルの二の腕を服越しに捕らえている。
「ふぁ、あっ、」
男の人に抱き込まれながら、体ごと、心ごと、こうも気遣われたことは今まで無い。
クライオス団長は幼少期から自分に親切にしてはくれたが、ここまで接触を深めたことは一切無かった。
「………、全部、入ったからな、」
頭上からティレルの言葉が降ってくる。
「ン、」
鼻腔や口中はティレルのにおいに満たされている。
会話の為だろう、ティレルは口中から指を抜いて尋ねてきた。
「……どうだ…?」
「っ……だ、大丈夫、です、」
話をすると、互いの呼気が顔にかかる。
「――――感じ…ます……、は、リスター審問官……、」
アナスタシアの形のよい赤い唇が、微笑を象った。
「……貴方が、私の中に、いらっしゃるのですね…、」
「…ッ………………」
喜ばしげに言われて、ティレルのほうが赤面を強める。
初めてなのに、心身に抵抗もなく自分を受け入れ、軋みや緊張があるにも関わらず、あまつさえ満たされたような顔でこちらに身を寄せてくる。
「アナスタシア……」
蕾が花開いていくときのような名だ。
滅多に呼ばぬ相手の名を口にしながら、ティレルはちらりとそう思った。
その思考はすぐに、もっと直接的な酩酊の中に霧散した。
浅い息で初めての挿入に堪える口に顔を寄せ、ティレルは口づける。
「ン……、っ」
ティレルの唇が甘露ででもあるかのように、アナスタシアが唇で応えてきた。
小さな舌が己の唇を這ってくるのが愛おしくて、ティレルはそれを咥え直す。
「ん、ぅ、ふぁっ…」
舌と舌が絡むと、アナスタシアの身が更に緩む。
下肢に穿ち込んだ己がアナスタシアに馴染むのを待ちながら接吻を繰り返す。
次第にアナスタシアの緊張が解け、きついほどの締め上げにも余裕が出来てきた。
かといって内部の熱はいっそう強まり、己の欲も高まるばかりだ。
「ふ、」
「ん」
試すように腰を揺らしても、アナスタシアの体は強張らない。
「動いても…大丈夫か? 赤毛…」
「……は、はい……、」
至近で問うと、アナスタシアは健気に頷いてくる。
「つ……、」
「あ、」
アナスタシアの胴を抱き寄せて、宥めるようにその背や肩を撫でながら、ゆっくりと下肢を蠢かす。
「うっ、ぁ、ふぁうっ、」
己の顔に吹き付けるアナスタシアの呼気に苦痛の気配が無いのに安堵して、ティレルはもう少し腰を揺すった。
「あっ、ぁ、リスター審問官っ、」
「ン、ふ……、お前の中、あったかくて、キツくて、心地いいな……、」
「っ、は、あぁ、……、なに、か……、」
ティレルに絡みつくアナスタシアの内部は、濡れた熱いベルベットのようだ。
「あ………!」
何処かを擦った瞬間、アナスタシアがビクリと撥ねて仰け反った。
「………、」
痛みを与えてしまったかとティレルはひやりとしたが、彼の下でアナスタシアの体は軟体動物のように弛緩していく。
「ひゃ……ぁ、そこ……」
「ココか?」
もう一度ティレルがアナスタシアの要求に応えて擦り上げると、
「んッ……ん……!」
再びアナスタシアが身を震わせて、その内部がぎゅっと締まった。
「つ……!」
もう充分に締め上げられていたティレルには、堪えがたい愉悦だった。
「ッ、く……!」
持ち堪えようとしたが果たせず、アナスタシアの内部でティレル自身がビクリと痙攣する。
「チッ……」
「ぁあ……ぅ………!」
初めての熱を受け止めたアナスタシアが驚いたように呻いて、白い喉が仰け反った。