岳人編の初夜について、まったくお互いが向き合ってないあたり、何がどれくらいすれ違ってるかを脳内で整理整頓しようとしてうんうん唸っていたんです。
ヒロイン清葉のほうは岳人の目の傷は昔の女につけられた傷で、彼女に執着があってその女を探してると思い込んでるし、岳人のほうは、直前で「友人が花が好きか菓子が好きか知らない」(=切見世の凄惨な生活を表現する過去ではあるのだが、同時に岳人が分析しないタイプであることも表現されている)と清葉に告げている上に、自分の嗜好については人の菓子を横取りするほど食べているくせに「好きでも嫌いでもねえ」と即答。「好きであってもそのことに『無自覚』」という性格が示されています。
ってことはえっとこのタイミングで清葉を抱く癖に(誰にも語らない過去を語ったり、そこから派生して二人で内緒で親友の墓参りしたりと清葉をかなり気に入っていることは明白)、清葉を既に好きになっていることには自覚がない、の……?
……………?????
二次創作したほうが早ぇや。
というわけで岳人視点で5章の初エッチシーンを妄想してみた。(R15指定)↓
『初枕』岳人×清葉 (初夜)【5章】R15
で、この後、「おいらん失格」とか自嘲するほどガッツガツに我を忘れて清葉を抱いたくせに「俺は誰にも心を添わせない( ー`дー´)キリッ)」とか言い出して、ああこれはハーレクインでよくある「私を愛しても無駄だ、私は誰も愛さないのだから」とヒーローが言い出すパターン……このパターン、中盤までは不幸が蜜の味してて美味しいのですが、ヒロインが愛を自覚してヒーローに対し「私の愛を受け入れて!」みたいになった後、ヒロインの愛なるものを信じられない男のほうがオトメ化してしまうというウィークポイントが。岳人さんは案の定そのポジションにはまり、しかも自分の中の感情は正しく分析できず、仇の女がよりによって弟分の空蝉の客になってしまって、とはいえヒロインに妨げられて復讐の機会も取れず情緒不安定に。
岳人はいわゆるオラオラ系のキャラですが、最後までオラつくとエッチで女を楽しませられない男になってしまうので、言葉は粗暴でも手だけはふんわりとしてて優しいという描写がかなり初期から繰り返し語られています。これの所為でわりと、全き体育会系よりは繊細さを残したキャラに仕上がってます。
清葉との体格差萌えの都合上、滝川編あたりと比べてハグの回数が多いのですが、岳人の能動性として表現されるためハグはいつも岳人のほうから……。エッチの最中もハグ、事後もハグ、後半の情緒不安定な時もハグ。ハグ魔オトメと化した岳人は清葉の心は受け入れられないと再三口にしながらいっぽうで清葉を手放せず、「(金を払って)お前が俺を抱きに来い、今夜も!明日も!」くらいの、どっちかというと女王様みたいな有りように。最終的な属性は多分、古典派のツンデレです。
その間、ヒロインは岳人が身を持ち崩さないように「岳人駆け落ち疑惑」など嘘の噂を流し、仇の女の身元を武蔵を使って洗い出し、岳人に対しても「あなたが先走ったらもう会えなくなるかもしれません」と女の武器を駆使した情報戦で復讐を牽制し、商家というよりむしろ政治家向きの大人の女に成長。ところどころで見知らぬ他人にきっちり親切にする描写があるので看過できますが、我も強く独占欲も強くて、実はものすんごい情の強い女です。まさに女傑。
ほかの攻略キャラと比べると二人してテストステロン強めで、初期には異性同士の挑み合いみたいのも描写されてます。ラブシーンにあまり甘さがないのが少し不満でもあるのですが、しかしこの二人、ラブラブのときにはいったいどんなエッチになるのか、あまり想像できません。
後半はあからさまに展開を描写する為の文字数が足りてなくて、モブである仇の女のことなんかに文章を割かねばならないシナリオライターの焦燥のようなものを感じる……空蝉編もそうなんだけど岳人閥は話が複雑に入り組んでて、読者への説明が追い付ききらない感があります。正統派プロ物である滝川・朝霧編と比べると文字数は増えて当たり前な気もするけども……「男吉原」なんてネタで18禁でもない2シリーズ目で商売物2編も入れてくれたらもう十分すぎて、岳人や空蝉が「傾城の仕事がメインにならない話」になるのも仕方ないとも思います。
しかし書き出してみると改めて、岳人はヒロインに対してあんまり花魁業はしてないね……テーマ的にもそれでいいっちゃいいんですが、オラ系オトメツンデレの岳人の性格は、本当は花魁には向いてない。と思った次第でした。