| 2024/12/23【全3話/完結】 『猟犬』ティレル×アナスタシア[処女]【R18】 『徒花Ⅳ』/コンラッドから脱走設定 |
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レンガ造りの古く大きなトンネル。
王都地下の古い下水管の中に、水を撥ねて走る足音が響く。
人影は二つ。
「っ……」
小さいほうの人影が、体をくの字に折ってへたり込みかける。
「急げ、赤毛。すぐに追っ手が来るぞ」
『猟犬』の衣装を纏ったティレルがアナスタシアを叱咤した。
コンラッドによる長時間の拘束を受けて、アナスタシアの体はいつものように軽快には動かない。舌打ちしたティレルはアナスタシアの体を半ば抱え上げ、半ば引きずるようにして下水道のトンネルを進んでいく。
王家に使える宿命を持つイシク族である己、コンラッド王子の忠実な『猟犬』で在るべき己と、アナスタシアへの執着を天秤に掛けた結果。
コンラッドに蝕まれるばかりとなったアナスタシアを見過ごせず、結局ティレルはコンラッドを裏切った。
暫く走ると。
トンネルは途絶え、外への道が開けた。
下水はここで終わり、森の中の川へと注ぎ込んでいる。
時刻は夜で、藪の中。
アナスタシアは自分が何処にいるかも分からない。
「もう少し、歩くぞ」
「……はい……、」
王城に捕らえられて後、コンラッドの手の中から逃れてきたのだ。泣き言は言えない。
捕まれば、嬲られて殺されるだけでは済まないだろう。
自分は『死に戻り』ができるが、助けてくれたティレルが酷い目に遭わされるのを目の当たりにすることになったら、自分で自分が許せなくなる。
ティレルには道が分かっているらしく、藪の中を、足取りに迷いもなく山中へと分け入っていく。
「暫く歩けば冬用の狩猟小屋に辿り着く。今時期は無人だし、コンラッド配下の連中はこのルートのことは知らない。……俺たちが隠れるには丁度いい」
ティレルに手を引かれ、山中を上ること三時間。
アナスタシアは音を上げなかったが、もつれる脚は言うことを聞かず、最後の一時間ほどはティレルに背負われての逃避行となった。
ようやく夜目にもはっきりと、小屋の屋根が見えてくる。
(助かった……)
安堵がそのまま睡魔を連れてきて。
くたびれ果てたアナスタシアは、ティレルの背で気を失うように眠りに落ちた。
ふと人の気配に気がつくと。
「目が醒めたか」
時刻はまだ夜明け前のようだ。
(……リスター、審問官……?)
干し草が積まれた寝床の上で目を醒ますと、ティレルがアナスタシアの上に覆い被さり、顔を覗き込んできていた。
囚われの身から逃げ出し、コンラッドの追っ手をかろうじて振り切った後。
国境近くの狩猟小屋の中に隠れ、休息を取っていた。
疲労と、王城から逃れられた安心感で少しばかり眠ってしまっていたようだ。
窓から月光が入り込んでいるが、ティレルの顔は影になっていて、表情は覗えない。
自分に迫る影がコンラッドではないだけでアナスタシアは安堵する。
緩んだ心のままに、『猟犬』の姿をしたティレルを見上げた。
「……リスター審問か、ンっ…!」
呼び慣れた名を呼ぼうとしたが果たせなかった。
ティレルの手が伸びてきてアナスタシアの口を塞いだからだ。
「――――選ばせてやる。赤毛」
常とは違った、威圧的な声。
ティレルの体がアナスタシアの上に乗り上がってくる。
緊張と昂奮の息がアナスタシアの顔に吹きかかった。
「こうして口を塞がれたまま俺に犯されたいか、俺を『ティレル』と呼ぶか。どっちだ?」
「…………、」
ティレルの手つきは横暴そのもので、王城でのコンラッドの手に酷く似ていた。
「…理解したか?」
「………ン、」
口を押さえられたままアナスタシアが頷くと、ティレルはやっと手を離す。
ようやく目が慣れ、ティレルの表情がアナスタシアにもわかるようになってくる。
ティレルの紫の目が、獣性を帯びて自分を見下ろしてきていた。
アナスタシアは常とは違う彼の様相に緊張しながら、彼の要求に応える。
「…ティ、ティレ、ル……さま」
「………」
ティレルが自嘲のような笑みと息を吐いた。『ティレル』と呼ばれはしたものの、その下に敬称がつくのは予想外だったらしい。
「……俺はもうお前の上司でもなんでもねえのに」
『猟犬』であったコンラッドの元から逃げてきた時点で、ティレルが既に異端審問官をも続けられないのは明白だった。
「……、でも、貴方を尊敬していますし、……ティレル様には、……今も、助けていただいて、恩も、あるので……」
アナスタシアの手首にはまだ、手枷の痕が痛々しく残っている。
コンラッドに捕らわれて、嬲られる筈だったところを、ティレルの手引きでアナスタシアは救い出してもらったのだ。
だがアナスタシアの指摘にティレルは唇を歪め、嘲るように笑った。
「助ける? お前を?」
ティレルの気配は酷く荒んでいる。
緊張、怒り、自暴自棄。嗜虐と性欲を帯びた、支配欲に似たもの。
「馬鹿だな。……相変わらず、お前は。――――赤毛」
ティレルの唇の歪みが深くなった。
「俺は俺の為に動いただけだ。コンラッドがお前を犯すところを、指を咥えて見ていたくなかったってだけだ」
アナスタシアの上着は既に留め金が外されていた。ティレルはその下のブラウスに手を伸ばし、ボタンを引きちぎらんばかりの強引さで左右に引き剥ぐ。
「! ティレル様……!」
服の下から、目に痛いほど白いアナスタシアの柔肌が、ティレルの眼前に露わになった。
衝撃と恐怖に身を固くし、思わず声を上げたアナスタシアの肩を掴んで、ティレルは動きを封じる為に寝床の上に押しつけた。
「コンラッドの代わりに。
これから俺がお前をいいようにする。
意味はさすがに分かるだろ? 鈍感なお前でも」
アナスタシアの脚を強引に割って、ティレルが膝を股の間に強く押し当ててきた。
「ッ………!」
秘された場所への乱暴な刺激に、アナスタシアがびくりと身を震わせる。
――――アナスタシアを支配し嬲る男が、コンラッドからティレルに変わっただけ。
ティレルはそう告げてきたのだった。
「暴れてもいいぜ? どうせ力じゃ俺に勝てないし、異端審問官としても『猟犬』としても、俺は人間の力を無効化する術をよく知っている。
……王城で、手錠を掛けられたお前の姿を見て昂奮した……、って言ったら、信じるか?」
支配欲を強めたティレルの歪な笑み。
彼のそんな顔を見るのは初めてだった。
「…っ……………」
アナスタシアの顔が恐怖と嫌悪に似たもので歪む。
体を強張らせて身動きが取れずにいる間に、ティレルは完全にアナスタシアの衣服を上半身から剥いでしまう。
「綺麗な肌だな……、本当に、コンラッドに奪われなくてよかった」
ティレルの器用な手が、アナスタシアの平板な腹を滑って腰骨を辿る。
その手は乳房に到達し、包み込んで撫で回してくる。
「ひっ! …やッ、…ぁ……ッ…」
隠されるべき場所を他人に触れられる感覚に、アナスタシアは喘ぐ。
ティレルの呼気には強い昂奮がのぼり始めた。
「あんな奴に盗られるくらいなら――――その前に。お前を殺す」
アナスタシアの細首にティレルの手が伸びる。
「……………!」
『猟犬』として多くの者を暗殺し、異端審問官として『魔女』と裁定が下った者を容赦なく火刑に処してきたティレルの手。
「……ティ、ティレル、様、……」
身勝手で苛烈な所有欲をティレルから宣告されて。
喉首を掴まれたままアナスタシアは名を呼んだ。
アナスタシアの心の一部は冷え、一部は熱を帯びて燃え上がる。
「どうして、そんなこと、」
アナスタシアの意思を無視した、コンラッドの如き暴虐。
「お前もわかってるだろ? あの王子と俺とは単に似た者同士なんだよ」
首と顎を掴まれ、残る片手で剥き出しの乳房を揉まれ、その上で、ティレルの唇がアナスタシアの唇を塞いできた。
「ん、ぅッ……!」
歯を食いしばる間もなく両唇の間にティレルの舌が割り込んできて、歯列の前から唇の裏を舐め上げてくる。
「っ、ふぅっ、ぁむ…、」
ティレルはアナスタシアの口をもっと深く咥え込む。
その舌は口腔に達し、歯の裏側に至った。
「っ、ティ、ティレ、んふッ、」
喉首を押さえていた手は今は下顎を捕らえ、口を無理矢理大きく開かされている。
開口部から割り入ってきたティレルの舌はアナスタシアの口中を犯し、だがむしろ縋るようにアナスタシアの舌に絡み始めた。
「…ンく……………!」
体の中がかっと熱くなる。
アナスタシアの心を慮ることもなく、まさしく乱暴を受けているのに。
ティレルの口づけは場違いなほどに優しかった。
「ッ………」
かと言って顎を捕らえる手は力強く、ティレルのキスから逃れる術はアナスタシアにはない。
抵抗を諦めて、アナスタシアはティレルが舐るままに任せる。
「ふぁ……ン、ふ、」
互いの唇の継ぎ目から、くちゅり、と淫靡に水音が漏れた。
湧いた唾液を一度啜り上げられ、更には再び己の口中に流し込まれる。
「! ……うぅ、ン、」
息苦しくなって、仕方なく、二人のものが混じり合った唾液をアナスタシアがこくりと飲むと、至近で、ティレルが笑った気配があった。
「んん……、う、」
ティレルの熱でアナスタシアの体からは力が抜けてしまい、目を半眼に閉じて、己の舌でティレルに応えることしかできなくなった。
アナスタシアが逃げも暴れもしないと知ってティレルの手は押さえつけを解き、扇情の趣を強くする。
顎を掴んでいないほうのティレルの手が、包んでいたアナスタシアの乳房を捕らえ直し、ゆっくりと揉んできた。
「! ッ、ん、ン、」
ティレルの繊細な指で乳首を摘まんで優しく嬲られると。
何故か腹の奥に、熱が流れ込んでくる。
駄目だ。
体ばかりか心も抵抗できない。
(…いや………!)
こんなのは間違っている、と。
脳の裏側で理性が叫ぶ。
だが、ティレルとの関わりは。
最初から、到底、正しいなどと呼べるものではなかった。
王城で初めて『猟犬』と出遭い、剣を交わした時から。
能力に強い彼我の差を感じて。
「殺される」―――と、思ったあの時から。
「んふぅ……ッ」
ティレルが器用に舌を弄んでアナスタシアの口中から引き出し、軽く歯を立ててきた。
「くふ、っふぅ…ム、」
唾液ごと舌を吸い上げられ、ティレルの口中で揉むように舐られる。
「ンぅ……う…、」
互いの口中で熱と唾液が混じり合う。
もはや顎を掴まれずとも、アナスタシアはティレルの接吻を自ら望んで続けている。
顎から離れたティレルの右手は首筋、鎖骨、もう一つの乳房を辿り、腰骨から臍に至って、やがて開かれた服のウエストから下腹部に滑り込んだ。
「ンんん……っ!」
女の場所に、ティレルの男の指がスルリと探り込んでくる。
「あ、あぁ、や、」
声には否定を上せるが体はティレルを拒まず、ティレルの指が、己の内側に押し込まれてくるのを受容した。
「ひィ………!」
初めての場所をまさぐられて、アナスタシアの体が緊張に強張る。
「ふ………、」
唇同士を離して、アナスタシアの様子を見下ろしながら彼女を手と指で弄ぶティレルが、支配的な笑みを漏らした。
「ココを男に弄られるのは……、初めてだな? 赤毛……、」
「っ…、ン、」
頬を真っ赤に紅潮させ、涙と唾液に滲んだ顔を歪めてアナスタシアは頷いた。
「っ…ティレル……様…、」
喘ぐように名を呼ぶと。
ティレルの紫の目が、何故か辛そうに眇められた。
「――――、ンぅう、」
きついのに、その場所を探られ続けると、体中がしっとりと濡れてくるような錯覚がある。
「っ…、うぅ……、」
この場所にやがて埋め込まれるのは指ではない。
「ティレル様、」
複数本の指が自分を犯している。
そのことをどう思うか、どう感じるか、など。
決して口に出してはいけない。
アナスタシアは目を閉じ、歯を食いしばって、自ら己の口を押さえた。
心が痛いのは。
ティレルが自分を乱暴に扱うからではない。
もっと深いところにあるティレルへの気持ちが、アナスタシアから彼への抵抗を奪っていた。
ティレルの唇はアナスタシアの口から離れ、顎、喉首を舐め上げ、先程の手指と同じ道筋を辿る。
「ンは…ぁ、」
鎖骨から乳房の膨らみに至り、その先端に舌先を当てて、ちろちろと刺激された。
「ひ…あぁ、あ……! んひッ!」
初めての刺激に困惑と淫靡を感じたところへ、ティレルの両唇が乳首を捕らえて吸い上げてくる。
「やっ、あ、あぁ……!」
下肢で、ティレルの指に抉られる場所が淫靡な水音を含み始めた。
乳首を吸い、乳輪を舐め上げながらティレルが笑う。
「ちゃんと濡れてきたぜ。中。
……お前の体は準備がいい。心のほうはまるでガキ並で、人に騙されやすいってのにな」
「ッ……」
ティレルの毒舌は常の生彩を欠き、揶揄にすら聞こえない。
「さすがに俺のことはもう信じちゃいねえだろ?」
「………………、う、」
ティレルの言葉に対する返事も身動きも出来なくて、アナスタシアの体はただ強張る。
ティレルの顔を見上げるその目尻からは、涙が次々に零れていった。
それを認めたティレルが苦笑する。
「コンラッドに捕まってたときには涙一つ流さなかったくせに。俺の前だと随分泣くんだな。
そんなに辛いのか? ……やめる気はねえけどな」
言いながら、ティレルが中で指を折り曲げた。
「んひ! っぃ………、」
ビクリと体が引きつる。
「辛いか」と聞かれても、否定も肯定も自分にとっては間違いで。
故にアナスタシアはティレルに反応が出来ない。
ティレルはアナスタシアの服を全て脱がせ、その肢体を夜気に晒させた。
コンラッドに蹂躙される筈だった体だ。
身体の中央に熱が凝っているのは、ティレルの煽りによるものだった。
「脚。開け」
仰向けになったアナスタシアに覆い被さって、ティレルが傲岸に声を飛ばす。
「………………」
アナスタシアの諦念が呼気となって喉から漏れた。
アナスタシアは口を手の甲で覆ったまま、ティレルの体の下で従順に両腿を開き、最前ティレルに指で探られた場所を彼の眼前に晒した。
さすがに目を開いていることは出来ず、ぎゅっと眉根を寄せて目を閉ざした。
乱暴に扱われるかも知れないが、痛みにはもう体が慣れている。火炙りにされたり、エンダーに牙や拳を内臓に打ち込まれるよりはずっとマシな筈だ。
苦痛への恐怖より、羞恥と屈伏感のほうがずっと強かった。
「………っ、」
しゃくり上げるのは、だが、屈辱が理由ではなかった。
(こんな場所で、こんな局面で、こんな様子のティレル様でなかったら……)
(そんなこと、絶対に考えてはいけないのに)
女としての自分が、男としてのティレルを求めている、などと。
認めてはいけないのに。
――――自分もティレルにそれをされることを望んでいる、と。
「赤毛。目ぇ開けてろ。お前が誰のものになるか教えてやる。ちゃんと見てろ」
「っ………」
ティレルに命じられて仕方なくアナスタシアは目を開いた。
それを合図のようにティレルはアナスタシアの両腿を掴んで押し開き、中央を探ってきた。
ティレルの側も服をくつろげており、諸処からイシク族の刺青が覗く。
イシク族――――それはティレルという人間の精神の、もっとも根幹の部分を証するものだった。
刺青より下の下肢に目をやると、固く膨張したティレルの屹立が初めて視界に入り、アナスタシアはひくりと身を震わせた。
その先端は既に自分の場所へ押し当てられている。
「…っ、ティ、ティレル様……、」
涙の膜で歪んだ世界の中央に、ティレルの顔が映る。
「入れるぞ……、」
ぐ、と腰を押し込まれて、アナスタシアはティレルに侵略される。
「! あ、あぁ……っ…! うぅ…!」
指など比べものにならない圧迫に体を固くするアナスタシアの裡に、だがティレルはどんどんと割り入ってくる。
「……、く……!」
ティレルの側でも何かに堪えるような呼気が喉から漏れ、アナスタシアの顔に吹きかかった。
「ン……くぅ……!」
男を受け入れるのは初めてなのだ。
そのきつさに思わず喉を絞めるようにしてアナスタシアが歯を食いしばると、顎にティレルの右手が当てられた。
「息をしろ……、アナスタシア、」
ティレルの息も喘ぎで詰まりがちなのに。
そんな言葉と一緒に、唇にキスが降ってくる。
「ンふ……ぅ……!」
舌と舌が絡み、唾液から痺れるような熱が伝わる。
もう勝てない。
こんなに横暴に体を奪われているのになぜ。
この人のキスはこんなにも優しいのだろう。
「ふぁ、ん、む、」
歯を食いしばるのをやめてティレルの舌を受け入れる為に唇を開く。
下肢も少しだけ緩んで、途端に、自分の中でティレルがぐちりと蠢くのが知覚できた。
「っ、ふぁ、」
自分の中にティレルがいる――――口の中と、女の場所に。
愛され包まれているのではなく、制圧されているだけ。
それはアナスタシアの心を冷やし、しかしティレルの楔の存在感は、アナスタシアの中の未知の熱を呼び起こしていく。
「ンぅう、」
アナスタシアは結局ティレルに屈した。
「ん………く、…ティレル様……、ぁふ…」
接吻に応えながら、ティレルの前で目を半眼に閉じる。
世界を目で見る代わりに手を伸ばし、のし掛かってきているティレルの背に両腕を絡めた。
「! ………、」
驚いたティレルがアナスタシアの口中で息を吐く。
直後。
自分を犯すティレルが、しかし縋りつくようにアナスタシアの体を抱き締めてきた。
「アナスタシア……」
「っ…! ン、んぅ……!」
無自覚なのか、キスの合間に名を呼ばれる。
体が密着して、乳房がティレルの胸肌に押し潰される。
立て続けの接吻と、剥き出しの背中を大きな手で撫で上げられて。
きつい筈の場所が自ら溶けるような感覚にアナスタシアは襲われた。
「ッ…、ふあ、ぁ……! ティレル、様……、」
「く………!」
少しだけ緩んだ場所へ、ティレルが律動的に腰を突き込んでくる。
「ぁひ、んふぅっ、」
揺り動かされて、唇は離れたり触れ合ったりを繰り返す。
「ひ、あふ、あぁ、」
幾度も奥深くを打ち込まれて、その都度に痛みは蘇ったけれども。
相手を拒む気持ちは持てなかった。
(ティレル、様………、)
「つ………、」
ティレルにしがみつき、抽送を受けながら、キスしキスされるのを繰り返している間に、体内を擦り上げるティレルが熱く大きくなった。
唇同士が離れた直後。
「……、っくそ………、」
ごく短くティレルが毒づき、アナスタシアの深い場所で動きを止める。
「ン……く……っ!」
体内でティレルの熱が爆ぜた。
「! ひぁぁ…う……っ……!」
自分の体の隅々にまで、同じ熱が広がったような感覚に陥って、アナスタシアは喉を仰け反らせて声を上げた。
「………はぁっ、…はっ………」
己を穿つティレルの体から力が抜けたのを知り、一つの終わりを悟ってアナスタシアは息を吐く。
「ティレル…様……」
もっと早くに。
死ねばよかった。
ティレルの腕の中で、アナスタシアはそれだけを考えていた。